2024年ワールドキャンサーデー: がん医療のギャップを埋めよう。がん治療を阻むバリアを取り除こう。
がんの死亡率は増加の一途をたどり、世界的な死因のトップとなっています。がんの罹患率が増加しているにもかかわらず、医学の進歩と最先端技術は、さまざまな種類のがんに対処する上で重要な役割を果たしています。さらに重要なことは、がんの早期発見、検診と早期診断の両方が命を救うということであり、 特に大事なことは、初期がんの段階で発見するということです。可能な限り最良の治療結果を得るために、さまざまながん治療アプローチが展開されていますが、手術、放射線療法、化学療法が主要な選択肢です。しかし、生存率はがんの種類や病期だけでなく、各個人の年齢や全身状態にも大きく左右されます。
ワールドキャンサーデーは、世界的に広がるがんとの闘いに、全世界が一致団結できる唯一の取り組みです。毎年2月4日に開催されるこのイベントは、がんに対する認識と教育を高め、世界中の人々にがんに対する行動を促すことで、毎年数百万人の死亡を防ぐことを目的としています。2024年世界キャンサーデーに際して、バンコク病院·ワタノソットがん病院は、がんを寄せ付けないベストな方法として人々の健康を推進し、がんとの闘いに参加したいと考えています。
「がん医療のギャップを埋めよう。がん治療を阻むバリアを取り除こう。」
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がんと闘う
効果的ながん治療を達成するためには、あらゆるがん治療とサービスへのアクセス確保が必要不可欠です。がんの種類や病期にもよりますが、最終的な目標は、患者のQOL(生活の質)を保ちながら生存率を高め、余命を延ばすことです。がん治療は、がんを治癒させたり、がんを縮小させたり、がんの進行を止めたりすることを目的としています。がん治療の選択肢には以下のようなものがあります。
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手術療法
手術を行う目標は、がんを完全に除去するか、可能な限りのがんを除去することです。先進技術の低侵襲手術により、腹腔鏡手術はより小さな切開創、より少ない痛み、より少ない術後合併症、より速い回復、そして日常生活への早期復帰ができます。それでも、腹腔鏡手術は、特定の制限や潜在的なリスクのために、すべてのケースで好ましい選択肢とはならない場合があります。各患者に対する最良の手術アプローチは、外科医と多職種チームによって決定されます。
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放射線療法
放射線治療は、X線や陽子線などの高出力のエネルギー線を用いて、がん細胞を正確に死滅させるものです。放射線治療には、放射線照射装置で体外から照射する方法(外照射)と、体内に入れる方法(小線源療法)があります。治療の前に、放射線腫瘍科医と他医療職種によって、高度な画像診断技術と計算技術に頼った複合プロセスにて放射線治療計画が立案され、それを元に周囲の組織に少ないダメージでがん細胞を破壊するための正確な高エネルギー線を照射します。がんの種類や段階に応じて、放射線治療はがんを治癒させるために使用される場合もありますし、がんに関連する合併症、痛みの軽減や出血の抑制などにも使われます。
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化学療法
化学療法は、体内で急速に増殖するがん細胞を強力な化学物質で死滅させる薬物療法である。がん細胞は体内の正常な細胞よりもはるかに速く増殖するため、化学療法は、大抵がんの治療に用いられます。化学療法の薬剤は単独で、あるいは組み合わせて、さまざまながんの治療に用いられます。化学療法は多くの種類のがんを治療する効果的な方法と考えられていますが、軽度のものから重篤なものまで、数多くの副作用のリスクも伴います。高度な医療技術の進歩に伴い、数十年にわたってより新しい世代の化学療法薬が開発されてきました。化学療法の主な目的は、がんを治癒させるか、治癒の可能性を高め、症状を軽減し、生存率を向上させることです。さらに、主な治療として手術前に行う化学療法(術前補助療法と呼ばれる)は腫瘍を小さくするのに役立ちます、手術後に行う補助化学療法は再発の可能性を減らす目的で残存するがん細胞を死滅させることを目的としています。
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ホルモン療法
ホルモン療法とは、ホルモンを必要とするがん細胞の増殖を、ホルモンによって遅らせたり、止めたりする治療法です。ホルモン療法の役割は、ホルモン受容体陽性の乳がんや前立腺がんなど、特定の種類のがんに見られます。
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分子標的薬
分子標的薬療法は、薬物やその他の物質を用いて特定の種類のがん細胞を正確に識別し、攻撃するものです。分子標的薬療法は単独で、あるいは従来の化学療法や標準的化学療法、手術療法、放射線療法などの他の治療法と組み合わせた治療です。分子標的薬療法は、高い有効性や副作用の少なさなど、優れた利点があるのですが、この治療法は全ての適応基準を満たした特定の種類のがんの治療法だけに有効なのです。分子標的薬療法が理想的な治療法であるかどうかは、腫瘍内科医によって検討されます。
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免疫療法
免疫療法は、がんと闘うために身体の自然治癒力を高めるがん治療の一種です。免疫システムががん細胞を認識し、より効果的に攻撃できるようにすることで効果を発揮します。生物学的療法として、免疫療法はいくつかの種類のがんに使用することができます。成功率は、がんの種類や重症度、個人差のある反応性によって異なります。免疫療法が各患者にとって理想的な治療法であるかどうかは、腫瘍内科医によって検討されます。
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骨髄/幹細胞移植
骨髄/幹細胞移植は、患者の骨髄幹細胞またはHLA(ヒト白血球抗原)が一致したドナーの骨髄幹細胞を用いて、白血病、リンパ腫、骨髄腫などの特定の血液悪性腫瘍や、ある種の生殖器がんを治療するものです。
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集学的療法
集学的療法は、患者が2つ以上の治療法で治療を受ける場合に用いられます。このような併用療法は、1つの治療法よりも複数の治療法を併用した方が治癒の可能性が高まったり、重大な合併症のリスクが減少したりすると考えられる場合に検討されます。治療方針は、がんの種類、病期、重症度、各患者の基礎健康状態によって異なります。お互いの治療目標は、患者のQOLに配慮した集学的チームによって決定されます。
がんにならないために: 5つのすべきこと、5つのやってはいけないこと
5つのすべきこと
- 定期的に運動する
- リラックスしてストレスをためない
- 果物や野菜をたくさん食べる
- 健康的な食生活を心がける
- 定期的に健康診断を受ける
5つのやってはいけないこと
- タバコを吸わない
- 危険なセックスをしない
- アルコールを飲まない
- 過度な日光を浴びない
- 生の淡水魚を食べない
がん治療の究極の目標は、治癒の可能性を高め、痛みや不快感を和らげ、患者の楽しみやQOLを取り戻すことです。2024年ワールドキャンサーデーに際して、バンコクがん病院・ワタノソットがん病院は、がんを遠ざけ健康に気を配るよう、皆さんに呼びかけたいと思います。早期発見が命を救うのです。がんのリスクを最小限に抑える為に生活習慣を改善し、定期的に健康診断を受けましょう。